記憶の中の。
2005年 03月 10日
春といえばなんといっても「いちご」。小粒のいちごが大好きなわたしは、個人的には年が明けてからしか、いちごのお菓子(デザート)は作りません。年々旬が前倒しになっていて、いちごも11月末から出回りますが、粒が大きすぎ。クリスマスの頃にはお菓子業界に「ちょうどいいサイズ」が流れてしまうので、スーパーで手に入るものはやはり大きめです。
バレンタインも終わってほっと一息つく頃が、ちょうどいいサイズが出回るんですよね~「ひとつぶ」で「ころん」とした、「いちごらしい」カタチ。なんか、「絵になる」んですよ。
昔むかし、まだ小さかった頃、住んでいた家の周りには畑が多く残っていて、4月になると「はたけのおばあちゃん」が摘みたてのいちごを売りに来てくれましたっけ。すりガラスごしに見える割烹着。ちょっと日に焼けた顔。少し土が入り込んでいる爪。ふつうのザルに盛られたいちごでしたが、とてもピカピカで美味しかった。おばあちゃんの来そうな日にはワクワクして縁台をちらりちらりと眺めていました。そんな遠い日の記憶が、実はしっかりと残っているのかもしれません。甘いだけじゃなく、酸味もしっかりと主張する小粒のいちごに出会うと、懐かしさでいっぱいになります。