
広島・瀬戸田の長畠農園さん の無農薬レモンが届いたので、最近テレビ番組で取り上げられていた「レモンカード」を作ってみました。以前こちらの長畠農園さんにレシピ提供させて頂いたこともある「レモンカード」は卵黄とバターをたっぷりと使用するフランスらしいレシピだったのですが、今回テレビで見たレシピは全卵での作り方だったので、どれくらい差が出るかな~?と試してみたかったのです。日持ちはしないけれど、柔らかい味で、あぁこういうのも家庭の味としてアリだなぁと思いました。鮮やかな黄色、眺めているだけで嬉しくなります。
あの日から、10年。
日常だと思っていたものが突然失われるという悲しみがこんなに大きなものだとは。直接被害がなくても、ちいさなことの重なりですら思うのですから、あの場に居合わせた方々のご心痛を想像するだけでも、安易な言葉は掛けられないと考えてしまいます。
今も、コロナ渦のなか、失われた日常の光景がたくさんあって。
元気そうに、変わりなく見えている人々の中にも、それぞれ抱えている想いがたくさんあって。
ちょうど10年前のあの時から、不謹慎狩りという言葉が出てきたり、緊急事態宣言下では自粛警察が出てきたり・・・言葉使いや行動に、より慎重さが求められる時代になりました。(もちろん悪意ある言葉や人を貶める発言がもってのほかなのはいつの世でも変わりませんけれども。)普段の言葉使いでも、何気ない内容でも、当方には必要な最小限のことでも、誰かを傷つけることになってはいないかと、誰かの鬱屈した思いを刺激することになりはしないかと、考えるようになりました。こんなちいさなブログなのに、と思ったり、いえいえ小さいからこそ、画面の向こうの、見守ってくださる方々やまだお会いする機会の訪れない方々を想像しては、どうしたら想いを表現できるかなと考えるようになりました。結果、悶々としすぎて更新できない日も多くなったのですが・・・
嗜好品である「お菓子」にできることは限られていて、それこそライフラインの安定の上に「教室」が成り立っていますので、こうして続けていられることは本当に恵まれていることだなぁと実感します。
粉工房にお越しくださる方々、ブログに訪問してくださる方々、ちょっとしたキッカケで思い出して検索してくださる方々、いつも本当にありがとうございます。あの日を境に失われた想いを抱えたすべてのひとに、どんなカタチでも、温かくほっとする瞬間がありますようにと祈っています。どうかお元気でいてください。わたしも、感謝を忘れずに日々を過ごしてゆきたいです。