リスペクト。
2018年 06月 22日
デビュー30年を迎えたエレファントカシマシの特集番組を結構あちらこちらで見聞きしていますが、そのなかでも特に印象に残ったのが、Little Glee Monster のmanakaさんがカヴァーしていた「悲しみの果て」でした。中学生のときにこの曲に出逢い、ちょうどいろんな辛いことが重なっていた時期でもあり、ほんとうにこの曲に救われて言葉にできないくらいに感謝しているのだそう。番組でご一緒したエレカシご本人たちの前で熱く語っていました。嬉しいのを通り越し、恐縮し、若干たじたじになっている宮本さんがなんとも微笑ましかったです。
エレカシの曲は5曲くらいしか知らないのですけれど、宮本さんの声の色っぽさと独特の熱気が印象的で、たまに動画で見たりしています。個人的には「風に吹かれて」がいちばん好きですが、「悲しみの果て」の端的な表現はほんとうに名作。短い曲の中に凝縮された本質が聴き手にぐんぐんと迫ってくるようです。
♪悲しみの果てに何があるかなんて
俺は知らない 見たこともない
ただ あなたの顔が 浮かんで消えるだろう
涙のあとには 笑いがあるはずさ
誰かが云ってた ほんとなんだろう
いつもの俺を 笑っちまうんだろう♪
もうこれ以上の悲しみなんてないだろうと思っていた昨日までの自分を、「無知だねぇ」と呆れてみている今の自分。落ち切ってしまったらあとは這い上がるだけだ、なんて中途半端な励ましは一蹴して、悲しみを知らなかったかつての自分や、乗り越えたと思っている自分、見ないフリをしてきた自分のお気楽さを含めて「笑っちまう」余裕が、じつはまだ残っている、と気がつくことの先に、希望がかすかに見えてくる。大事に過ごすことで小さく回復する日常の欠片を積みかさねて、気がつけば、見たと思っていた悲しみの果てはまた少し遠のいている。
自分の身にふりかかった本当の悲しみ、というものを、さほど意識せずにこれまで過ごせてきていることはほんとうに幸せなことですし、過去にあったかもしれないけれどある程度は忘れている、というのも、幸せなこと。
中学生だったmanakaさんがどんな辛い思いをしたのか他人が共有できないのと同様に、誰にでも訪れる筈の悲しみを感受性の違いを乗り越えて、普遍的なものとしてここまでシンプルに作り上げた宮本さんの格好良さ。manakaさんがほんとうに、ココロからリスペクトしている様子が伝わってきてすごく素敵な番組でした。さすがにその映像は出ていないようですけど、別の機会に歌っていたシーンを見つけたので、貼り付けておきます。
もちろん、ご本人のも。やっぱり迫力あります。
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