映画 「あん」


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 以前生徒さんにお借りした本「あん」。映画化されると今年知って、気になってはいたものの、どうしようかなぁと迷っていたら…大好きな秦基博さんが主題曲を書き下ろすと知り、これはやはり映画館でその歌声を聴かなくては!と出かけてきました。





 どんな内容かは貼り付けた予告編で観ていただくとして、原作を知っていて映画化されると、キャスティングで違和感を覚えることが往々にしてありますが、今回の「あん」に関してはもう…「凄い!」としか云いようがありませんでした。みんなほんとうにあってる!樹木希林さん演じる「吉井徳江」の、達観した口調、その背景を物語る壮絶な孤独や偏見との闘いの日々。永瀬正敏さん演じる「千太郎」の、空虚な目、なげやりな気配。内田伽羅さん演じる「ワカナ」の、まだ「外の世界と完全につながっていない」少女の、頼りなげだけど冷静で澄んだ瞳。そして浅田美代子さん演じるオーナーの、身勝手な発言の数々。偏見と差別に満ちていることに、全く気がついていない人間特有の、正当化した物言い、その厭らしさと威圧感。市原悦子さん演じる「桂子」には、逆境に身を置かざるを得なかった人だからこそ到達する明るさのようなものがまとわりついていて。キャスティングはもうほんとうに、ピッタリ。印象的なシーンが削られたりはしていましたが、原作にしっかり敬意を払って丁寧に作られた作品であると感じました。

 そしてそして、秦さんの歌う主題歌!物語のテーマにぴたりと寄り添う、素敵な歌詞と繊細な歌声で、うっかりボロ泣き。

 想いを言葉にして相手に伝えられるのが、もちろんいいに決まっているのですけど、ちょうどいいタイミングと的確な言葉で表現できる機会なんて、実際そうはないのですよね。伝えきれなかった後悔を抱えて生きてゆくからこそ、ほかのひとに寛容になれたりする。一緒に見上げた桜の花や昼間の月に、言葉にならなかった気配の交換をしながら、つぎにひとりで見上げたときにその優しさに気がつく。それがどんな間柄のひとであっても、出会いと別れ、後悔と感謝を繰り返して人生を進めてゆく覚悟のようなもの。秦さんの声、やはりズルいです(笑)。

 まだ公開されたばかりなので、具体的なハナシは避けておきますが…ぜひ、秦さんの歌声を聴きに…じゃない、映画を観にお出かけ下さいね。

↓お菓子のハナシじゃないけれど…

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by farine12 | 2015-05-31 22:58 | 映画に想うこと | Comments(0)

創作スタジオ粉工房のブログ。レッスンの様子や日々のあれこれを綴ります。


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