今になって、しみじみと。




 「ファン」と呼ぶには、何かしらの定義づけがあると思うのですが。たとえばアルバムを2枚以上は持ってるとか、ライブには絶対に行って見たいとか(あるいは、欠かさないとか)ラジオや歌番組に出演すると聞けば必ず見るとか、せめて録画しておくとか。

 そういう意味では、忌野清志郎さんのことを語るとき、けっして自分から「ファンです」とは云えない距離感でした。たまにテレビやラジオで歌声が流れてくるのを「あ、清志郎さんだ」と思うくらいの。それでも、目尻の皺や、数々のアーティストとコラボする度にはっきり伝わってくる相手へのリスペクトを、すごく素敵だと思ってみていました。どんなに年下のアーティストでも、ちゃんと一目置いていて、それでいて温かな眼差しで隣に居て…

 追悼映像が出てくるたび、ライブ映像が流れるたびに、吸い寄せられて見つめては、時々泣いてしまう3週間でした。今まで「雰囲気」だけで聴いていた曲たち。サビの部分しか知らなかった曲たち。あぁ、勿体無かった。もっとちゃんと聴いておけば良かった、そう思いました。一方で、わたしにとっては「今」出逢ったんだから、これからゆっくり聴いてゆけばいいのだとも思うのです。歌や本には、ひとそれぞれ出逢うべき時期というのか、響く時期が違うのだと思うので…

 NHK-BSで再放送されてた「SONGS PREMIUM 忌野清志郎」を観て(聴いて)本当にあたたかで誠実なひとなのだと思いました。スタジオで、ファン500人を前に、ひとりひとりと目を合せるように歌う姿。「おかえり~!」と呼びかけた女性客に「ただいま」と返事をし、「前よりずっと良くなってるぜ!」と叫んだ男性客に「ありがとよ」と返事をし…彼独特の声と歌詞にどっぷりと浸かった一時間。まだ余韻が残っています。

 検索をしていて数曲聴き、なんだかすごく響いたものを上に貼り付けました。ジョンレノントリビュートライブでさまざまなアーティストが集まったときの映像のようです。「イマジン」を日本語歌詞で歌っています。PCで読んでくださってる方、ちょっと長いですが良かったら聴いてみてください。ギタリストとしての「熱さ」も響いてくる一曲です。「はなうた」として歌えるような感じとは違うけれど(笑)なんだかすごく、いいなぁ!と思ったので。

by farine12 | 2009-05-23 01:11 | はなうた♪/Humming♪ | Comments(0)

創作スタジオ粉工房のブログ。レッスンの様子や日々のあれこれを綴ります。


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