ア・ラ・カルト

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 「百万ドルを取り返せ!」「ケインとアベル」などの長編で知られるジェフリー・アーチャー。イギリスらしいウィットとユーモアに満ちた作品は、最初は少しとっつきにくいものの、いつの間にか引き込まれてしまうのです。短編もかなり面白く、様々なテーマ・タイプが凝縮されていて、オススメですよ。これまでに12編から成る短編集を2冊出していますが、そのなかで特にお気に入りが「ア・ラ・カルト」。

 自動車整備士の父と同じ道を歩きたい息子。父の方は息子に別な人生を歩んで欲しいと大反対をします。1年どんな仕事でもきちんと働くことができれば認めるという条件で、渋々ホテルのベルボーイとして働き始めた息子が、とあるきっかけで厨房に入り、最終的にはフランスでも1・2を争う有名店のシェフにまで上り詰めるという話し。

 壮絶な下積み時代、臨場感溢れる厨房の様子、料理の描写、シェフとの会話…最後にお父さんを自分のお店に招待するシーンも素敵なのです。

 ミステリー、純愛、美術品への愛着心、サクセスストーリー、政治、いろんなテーマが盛り込まれ、この短編集そのものが、まさに「ア・ラ・カルト」になっているのです。下心丸出しの男性に、すっかり乗せられているようで実は見事に切り返す魅力的な女性も登場したりして、まさに「そうきたか!」なんてどんでん返しもあったりで、楽しめますよ。

   -ジェフリー・アーチャー 「12本の毒矢」「12の意外な結末」-

 
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by farine12 | 2006-09-21 17:25 | 思い出の本/Books in my Memories | Comments(0)

創作スタジオ粉工房のブログ。レッスンの様子や日々のあれこれを綴ります。


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