懐かしのいちご水
2006年 04月 08日
子どもの頃、母の作るいちご水が大好きでした。近所に畑を持っている人が数人いた、とてものどかな所でしたので、露地物の苺を売りに来るおばあちゃんがいたり。今とはまったく違う、ゆったりとした環境だったのですね。
洗った苺を丁寧に拭いて乾かし、氷砂糖やグラニュー糖に漬け込むこと1週間くらい。苺の水分と反応した砂糖が少しづつ溶けていき、保存瓶の底から赤のグラデーションを作る…その様子を眺めるのが楽しくて、じっと見入っていたのを覚えています。シロップを使ってゼリーを作ってくれたり、時にはシロップから引き上げた苺に新しい苺を足してジャムにしたり、と「母の手作業」を眺めては「お手伝い」と称して味見させてもらったり。苺から連想するのはちょっとくすぐったいような、あまやかで懐かしい光景ばかりです。
ハウス物の大粒の苺より、春になってからのちっちゃな苺に惹かれるのも、きっとそんなノスタルジックな想いからなのでしょう。