サブレ
2005年 07月 12日
この前ちょっと本棚を整理していたら、古ぼけて変色した「初代」お菓子作りの本に挟まっていた紙がパラリ。小学生の時にしょっちゅう作っていた「コロコロクッキー」のレシピでした。
お友達のお母さんがメモしてくれたレシピで、一度わたしの母も作ったらしく、2種類の筆跡が並んでいました。砂糖のところを30%ほど減らしていたのが母のアレンジ。実際、それだけ砂糖を入れればさぞかし甘いだろうという配合でした。なるべく最低限の砂糖で、という感覚は、やはり母から受け継いだものなのでしょう、と改めて実感しました。
もうひとつ、ふと「えぇっ?!」と思ったのが、ベーキングパウダーの量。今のわたしのレシピでは考えられないほど「大量」に入っていたのです!小麦粉200gに対して大匙1とか。。。子どもが1コ1コ手で丸めても(加減がわからずこねくり回しても)ちゃんとサクサクのクッキーになるように、ということだったのでしょうが、それにしても多すぎ。どうりで口どけが不自然だったんだ…と記憶を辿って納得がいったのでした。
お菓子作りをきちんと勉強するようになって、自分でもあれこれと研究するようになってからは、「クッキー」「サブレ」と名前のつくものに、ほとんどベーキングパウダーは使わなくなりました。ちゃんといくつかのポイントを押さえれば、「膨らし粉」なんて必要ないのです。助けてもらわなくても、ちゃんとサクサクの口ざわりを楽しめるのです。
「クッキー」がやたらと「カチカチに固くて、がっかりした」とか、「せっかく一生懸命作ったのに美味しくなかった」というエピソードをよく聞きます。「手軽に作れる=初心者向け」という視点で書かれている本も多いですよね。でも実のところ、「どんなに初心者でもカンタンに作れるレシピ」が本当においしいクッキーとは限らないのが残念なところ。それだけに「最初の出会いが肝心」なんだなぁと思っています。
茶色く、ぼろぼろになった紙切れを眺めて「当時は本当に何も知らなかったんだなぁ」とちょっと呆れながらも、夢中でお菓子を作っていたあの頃のこと、そして「おいしい」と(多少無理をして)食べてくれていた家族のことを思い起こし、改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。