アクアブルー

アクアブルー_a0392423_01052567.jpg


 とっても久しぶりに、海を見ました。
写真でもなく、テレビでもなく、実際にこの目で。

 すっきりと晴れた湿度の低い日だったので、空と海の境界線がはっきりとしていて、遥か遠くに霞む島のシルエットまでも感じ取れる程でした。潮風に当たっていても全然ベタベタしなくて、とにかく爽やか。「海ってこんな表情だったっけ?」と不思議な気分でした。

 なんとなく憧れて春の海を見に行ったのは高校に入学してすぐの頃。どこかスモーキーグレーが入った、半透明の鈍い光を反射して、イメージとの違いに少し失望したのを思い出しました。何年も経って常夏のリゾート地で見た海は、色彩は鮮やかだったけれどその分ギラギラしていて、「遊ぶか泳ぐかしてみたら?」と迫られているような気がしました。電車の窓越しにみた真冬の海はひたすら鈍い鉛色で、いっさいを拒絶しているかのようでした。

 ある意味「イメージどおりの」海を、久しぶりに見てみたら、「アクアブルー」という言葉が浮かんできました。実際の「アクアブルー」は、もう少し緑がかった色だし、「アクアマリン」といえばもっと透明に近い、薄い色。それでも五感を使って皮膚感をとおして見た4月24日の海は、涼しく柔らかく爽やかで、ただそこで眺めていることを許容してくれるような、穏やかな色をしていました。「あくあぶるぅ」という音の響きから想像した、そのままの、優しい色でした。

by farine12 | 2005-04-25 01:51 | 色、いろいろ/Colors | Comments(0)

創作スタジオ粉工房のブログ。レッスンの様子や日々のあれこれを綴ります。


by Konakoubou